「GrWin グラフィックス・ライブラリ」は多くのコンパイラに対応していますが, ここでは付加的な dll を必要とせず,単独で動作可能な Windows アプリケーションの作成が可能で, しかもフリーな MinGW-2.0 を使用する場合に限定して説明します。 MinGW の使い方についてここに日本語情報があります。 MinGW-2.0 を使わない場合には以下の b. は読み飛ばしてください。 GrWin で利用できるほかのコンパイラ・システムについては「利用可能な環境」を参照してください。
インストール先や実行コマンドなど,自分の環境に合わせて自由にアレンジ可能ですが, 何をやっているかがよくわからない方は以下の手順を忠実に実行してください。
以下では MinGW-2.0.0-3.exe の実行時の指示に従って, MinGW システムを C:\MinGW にインストールしたものとして説明を続けます。 ほかのディレクトリにインストールした場合には C:\MinGW を自分の環境にあわせて読み替える必要があります。
ダウンロードしたファイル MinGW-2.0.0-3.exe はこれで用済みですので消去しても差し支えありませんが, ディスク容量に余裕がない場合を除いて,再インストールが必要になったときのためにどこかに保存しておくことをお勧めします。
の1行だけのバッチ・ファイルをインストール・フォルダ( C:\MinGW )に作成します。 正しく作成できたかどうかは
で確認できます。確認ができたらこれで MinGW システムのインストール作業は一応終了です。 コマンド・プロンプトを開いたらその都度 C:\MinGW\mingw を1回打ち込むことで, そのコマンド・プロンプト上で MinGW を使うことができます。
これで,MinGW が使用可能になったはずです。これを確かめるために 'gcc -v' を打ち込みます:
上のように表示されれば MinGW-2.0 のインストールは無事終了です。
なお,以上のインストール手順に従った場合,MinGW を使うにはコマンド・プロンプトのウィンドウを開くたびに1度だけですが毎回, C:\MinGW\mingw を打ち込んでパス設定を行う必要があります。 これが面倒な場合には,使用している OS の種類に依存しますが, 次のようにしてパス設定を自動化することもできます:
とします。
とします。
どちらの場合にも,ショートカット名を「MinGW」などとし, プログラム開発を行うフォルダを「作業フォルダ」として設定するとよいでしょう。
GrWin のインストールは自分の環境に合った GrWin のインストーラをダウンロードして実行するだけです。 どのようなファイルがインストールされるかは「配布ファイル」を参照してください。
GrWin をアンインストールするには,「コントロールパネル」の「アプリケーションの追加と削除」から 'GrWin 0999b for xxx' を選択して,「変更と削除」ボタンを押してください。
などとするだけで,Fortran のソースコードで GrWin ライブラリの各ルーチンが正しい引数の並びで呼ばれているかどうかなどの チェックを行うことができます。コンパイルとリンクの時には何もエラーが出ないのに,実行時にエラーが出て異常終了するときなど, f77chk.pl を使うことでエラー個所を発見できる場合があります。 コンパイルとリンクでエラーが出なくなったら一度 f77chk.pl でチェックを行うことで, プログラム開発の能率が大幅に向上するはずです。 より詳しくは配布ファイル中の f77chk.txt を参照してください。
以上でインストールは完了しました。MinGW-2.0 以外の開発環境を使うときには,下の説明で gwf77 や gwgcc などのバッチコマンド名を対応するものに読みかえてください。
それでは,試しにサンプル・プログラムを動かしてみましょう:
と入力してみてください。 サンプルの Fortran ソースファイル trigfn.f から実行ファイル trigfn.exe が,また,C のソースファイル polygon.c から実行ファイル polygon.exe が生成されているはずです。 ここで失敗するようなら,もう一度 MinGW のインストールから調べ直す必要があります。 trigfn.exe の生成に成功したら
として実行してみてください。 グラフィクス・ウィンドウが開いて sin 関数と cos 関数がプロットされ「フォント」ダイアログ・ボックスが開けば Ok です。 ダイアログ・ボックスの各項目を適当に選択してから [OK] ボタンを押せばダイアログ・ボックスは閉じます。 マウス・ポインタをウィンドウ内に移動して適当な点で左ボタンをクリックすればその点にマークが表示され,下部のステータスバーにはその点のワールド座標系の座標が表示されます。 このサンプル・プログラムを終了するには原点(縦軸と横軸の交点)付近で左クリックしてください。 「Message from grwnd」のダイアログボックスが開きますので,[はい(Y)] ボタンを押してください。 これで,グラフィクス・ウィンドウが閉じて,テストは完了です。 ついでですので polygon.exe も実行してみてください。 動作は polygon.f をコンパイルしたものとまったく同じですので demo\Polygon.txt の説明を参照してください。
demo フォルダ内の他のサンプル・プログラムについても gwf77 コマンドを用いて上と同様に実行ファイルを生成してから実行し,動作確認をしてみてください。 同じフォルダ内の *.txt ファイルには対応するサンプル・プログラムについての簡単な説明があります。 MinGW-2.0 で、すべてのサンプル・プログラムの実行ファイルを生成するには、同じフォルダで単に
を入力してください。 VC++ と VF がインストールされている場合には
とすることで、すべてのサンプル・プログラムの実行ファイルが生成されます。 VC++ がインストールされていて,C で書かれたサンプル・プログラムのみの実行ファイルを生成するには、
としてください。Fortran のみの場合には C の代りに F としてください。
Last modified: Sat Jun 28 17:43:13 JST 2003